★ 食欲に異常がある
正常な食欲とは、標準的な体重を保ち、活発な活動を行うのに必要な食事に対する健全な意欲をいいます。しかもそれは、食事に対する充足した喜びを伴うものでなければなりません。ですから、食欲の実態は、年齢(成長期かどうか)、体格、身体機能、労働量など、身体的条件によって決まるとともに、その人の性格や生活態度、情操など、精神面からも深い影響を受けます。また、同一人でも、毎日の生活内容は変化していますし、食事のとり方にも変動がありますから、正常な食欲は常に流動的に変化します。
食事に対する欲求のバランスが崩れること、それが食欲異常です。
食欲が良いことは、「健康」のシンボルです。裏を返せば、食欲がないことは、「病気」のシグナルのようなものです。ほとんど全ての病気は、その経過や病状のどこかの時期に、食欲がなくなるものです。ですから、食欲がなくなるという症状は、あらゆる病気の共通症状のようなもので、食欲の悪さだけでは、どういう方面の病気か検討がつきません。
そのうえ、正常な食欲のあり方は、人によってずいぶん違います。強壮な若い人の食欲は、まことに旺盛で積極的です。柔和な中年の婦人の食欲は、つつましやかです。どちらも、それは正常な食欲です。つまり、食欲の正常さの基準が人によって違うのです。この点を誤解すると、正常な食欲であるのに、異常だとして悩み続けるようなことが起こります。
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